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●スポーツ外傷
スポーツ外傷は、スポーツによる突発性のケガで、捻挫、脱臼、骨折、軟骨損傷、靱帯損傷、肉離れ、腱断裂、脳震盪、脳挫傷、皮膚の創傷など様々なケースがあります。
 このような突発性の外傷は、不慮の事故でもありますが、意外と大半は事前に防ぐことも可能なのです。
 多くのケガは、自己の能力以上のパフォーマンスを行ったときやふだん行わない動作をしたときに、その負荷に耐えられず、あるいはバランスをくずして発生しています。また、ふだんの練習で疲労が溜まり、体の反応が鈍ったり、筋肉の耐久力が低下していたり、判断力が低下した場合にも発生頻度が高まります。
 これらを未然に防ぐには、効果的な練習方法や適度な練習量、プレーする場所の地形や施設の状態、プレー方法や戦術の確認など様々な要素も考慮しなければなりません。

 スポーツ外傷の応急処置

1. RICE
 スポーツ外傷の応急処置として有名なのがRICEです。RICEとは、R=Rest(休息、安静)、I=Ice、Icing(アイシング、冷却、frostingとも言われる。)、C=Compress(圧迫、圧迫包帯 、止血、湿布をするの意味も有る)、E=Elevation(上げる、患部を高くする)という意味です。以下にその手順と効果を紹介します。

 REST(休息、安静)
 捻挫や挫傷、打撲などを生じたら、ただちに寝かせるあるいは座らせるなどをして身体を安静位とします。安静位とすることで患部の負担を軽減させ症状の進行や悪化を防ぎます。

 COMPRESS(圧迫)
 患部の安静位を確保したら、包帯やテーピング、三角巾、タオルなどで患部を圧迫固定します。打撲や捻挫は、皮膚表面に傷や出血がなくても、内部では組織が損傷し出血や滲出液の放出が起きています。出血や滲出液の放出は、本来損傷部位を修復するための体の自然治癒行動であり必要な現象ではありますが、過剰に起こると必要以上の瘢痕組織(はんこんそしき :こぶやしこりのような状態となり患部を一次的に仮修復する組織)が形成され、返って痛みや機能障害を残存させる原因となることがあります。また、過剰な滲出液は、例えば関節内に起こると 、いわゆる水が溜まる状態となり、関節に適度な緊張と支持力をあたえる関節包靱帯を弛緩し、関節が不安定となる原因になります。したがって、圧迫固定することで内部の出血や滲出液の放出を必要最小限にくい止めることができるのです。

 ICING(アイシング、冷却)
 圧迫包帯などを施行したら、その包帯の上から氷のうやアイスパックなどで冷却しましょう。 直接皮膚にあてるよりも包帯や2枚以上に折りたたんだタオルなどの上から徐々にやや時間をかけるような感じで冷却を施すと効果があります。尚、アイシング中は、凍傷を起こさないように注意してください。
 アイシングは、冷却をすることで血管が縮まり内出血や腫れの進行をおさえ、消炎・鎮痛効果をもたらします。

 ELEVATION(患部の挙上)
 患部を心臓と同じ高さかもしくは心臓よりやや高く上げることで、出血や腫れの進行を緩和させる効果があります。
 簡易血圧計などで計測した経験のある方はご存知と思いますが、心臓の高さよりも低い位置にある血管は血圧が上がり、高い位置にある血管は血圧が下がります。一般的に血圧が下がった方が血液の流入する勢いが下がるため、負傷直後は損傷部位を高くあげた方が良いことがわかると思います。

2. 固定
 骨折や脱臼、捻挫などの場合、最寄の接骨院や整形外科あるいは救急病院などに行く際に、できる限り患部の動揺を防止するために、固定をすることが大切です。
 専門的な固定はとても難しいですが、応急処置としての固定は比較的簡単にできます。
 固定用具としては、三角巾、包帯、タオル、シーツ、さらし、ひも、ベルト、テープなど身近にあるものを利用します。


●スポーツ障害
 スポーツ障害は、反復練習による疲労性の障害やスポーツの各種目による特殊な動作により起こる特有障害(例えばテニス肘、ジャンパー膝、投球肩など)などがあり、慢性的経過を呈して選手生活を左右する重篤な障害に至る場合も多く見られます。
 原因は、やはり無理なフォーム(スポーツ時の体勢、姿勢)や耐久力を無視した動作や練習にあるといえます。

 スポーツ障害の対策
 特定の練習やフォームなどにより痛みなどの障害が発生した場合、その方法や量、質的問題あるいは身体の姿勢バランスや靴、装具、道具などの影響を見直すことが肝心です。
 例えば、ジョギングやマラソンなどで走法を変えたとき、その新しい走法に対してシューズが適応しているか、あるいはその走法に必要な筋肉が充分に発達しているかなどの問題が起こります。ストライドの大きな走法では、シューズのかかと部分のカット(かかとの後方角の部分で接地しても安定するようなランディングカットを備えたシューズであるか)や衝撃吸収性(かかと部分に特殊な衝撃吸収素材を使用しているか)などが重要となり、また筋肉や関節の柔軟性と可動範囲の大きな動作で力の発揮できる筋肉づくりをしなければなりません。しかし、これらが充分に対策されていないと、踵骨骨底棘、足底腱膜炎、脛骨疲労骨折、シンスプリント、腓腹筋やハムストリングなどの慢性疲労性筋炎(筋断裂に至ることもある)などを起こすことがあります。これらのことを考慮して、その障害・痛みの原因をしっかり把握し対策を講じることが大切です。

1. アイシング
 慢性的な痛みであってもアイシングはかかせません。練習や試合の合間の休憩時間や終了後すぐに、約20分間のアイシングをしてください。
 一般的にスポーツ障害では、障害部位の滑膜(筋膜、骨膜、関節包の内膜、滑液胞、腱鞘の内膜などはすべて滑膜組織で構成されています。)が炎症を起こすのでその炎症を鎮めるためにアイシングを要します。また、筋肉においては、最も効果的に活動できる温度があるといわれています。 このことから、ウォーミングアップとクーリングダウンが非常に重要となります。
 ウォーミングアップは、準備運動とも言われ、筋肉の活動を高めるために組織温度を上昇させ、筋肉や腱、運動神経などの反応を良好にするために、運動前には欠かせない行為となります。このウォーミングアップについては、一般的に常識化されていますが、クーリングダウンについては、未だに認識が薄い傾向にあります。
 試合や練習により熱をもった筋細胞は、その活動が鈍くなったりあるいは停止してしまいます。それを無理に動かそうとすると筋組織や筋肉と接続している腱や骨を損傷することになります。その損傷は始め僅かであっても毎日繰り返すごとに損傷の程度が悪化していきます。このように、炎症や筋運動による組織温度の上昇を生じた場合は、ただちにアイシング によるクーリングダウンをすることが大切なのです。

2. サポート
 障害を生じている部位は、当然耐久力や可動域が減少しています。また、過剰に使用することで組織の萎縮を起こすこともあります。本来ならば運動を休止し、治療に専念することが望ましいのですが、現実にはそうできないケースがほとんどです。
 障害部位を保護しながら運動を続けるには、その症状や損傷程度に適したサポーターやテーピング、あるいはその他の固定具を活用してください。ただし、その選択は専門医やトレーナーなどの意見を聞くことが大切です。不適切なサポーターやテーピングは、返って症状を悪化させかねません。

3. ストレッチ
 障害を生じている部位あるいはその周囲の関連部分である靱帯や筋・腱のストレッチはとても重要です。特に痛みを伴う部分は、組織の萎縮や硬直が起こりやすいのでゆっくり徐々にストレッチをして刺激をしてください。
 ストレッチは、運動前のウォーミングアップや運動後のクーリングダウンとしても効果を発揮します。通常、運動前はやや強めのストレッチを行い、運動後は物足りなく感じるぐらい弱めのストレッチを行うと良いでしょう。

4. マッサージ
 障害部位あるいはその周囲筋肉のメンテナンスにマッサージも効果的です。痛みのある部位や、その周囲の筋肉や靱帯は、とても硬直しやすくまた組織や細胞の代謝が低下します。そのまま放置しておくと、ますます動かなくなってしまいます。やはり、マッサージなどの刺激により組織や細胞を活性化させることも大切です。治療においても組織や細胞の働きが活発であればその修復もスムーズになるといえます。ただし、運動の直後や炎症のあるときなど組織温度が上昇しているときは、 いきなりマッサージを施行してはいけません。マッサージを受ける前にアイシングなどで組織温度を下げることが大切です。

5. 耐久性の強化
 障害部位を保護するために周囲を支える筋肉や靱帯の耐久性を高める運動をすることも大切です。例えば、習慣性肩関節脱臼の予防のために三角筋の強化をするなどが代表的な耐久性の強化となります。

6. 休息
 難治性の障害には、休息もひとつの方法です。どんなにメンテナンスをしっかり行ってもなかなか症状が改善されない、あるいは返って悪化しているような場合は、思い切って休ませることも大切になります。この休息により症状が好転することもあります。その際には、患部を徹底して休ませる意味で固定をすることもおすすめします。できれば専門家の指導を受け、しっかりした固定と治療を施行し患部を休ませてください。













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